WEBサイトリニューアルの基礎知識すべてのWEB担当者のための手順と進め方

サイトリニューアルの進め方の全体像!WEBリニューアル全手順マニュアル

「うちのWEBサイト、なんだか古臭くなってきたかも?」そんな風に感じたことはありませんか?または、「競合のサイトはもっと見やすくて機能も充実している。うちも何かしなきゃ…」と悩んでいるWEB担当者もいるかもしれません。WEBサイトは企業の顔。時代に合わせて、その顔をフレッシュに保つことは非常に重要です。

しかし、WEBサイトのリニューアルと一口に言っても、どこから手をつけていいのか、何を基準に進めればいいのか、さっぱりわからないという方も多いのではないでしょうか。特に、WEBに詳しくない、経験も浅い担当者にとっては、山のように積み上がる疑問と不安の中、一歩を踏み出すのも一苦労です。

そこでこの記事では、WEBサイトリニューアルを成功に導くための「A to Z」を、カジュアルに、しかし実践的に解説していきます。リニューアルの「なぜ」から始まり、「いつ」、「どうやって」、そして「何を」用意すればいいのか、まず全体像を把握するとスムーズに進めることができます。

サイトリニューアルの進め方

目次

  1. WEBリニューアルのタイミング: いつ行うべき?
  2. リニューアルの手順と段取り: 効率的に進めるコツ
  3. 必要なドキュメントとその形式: リニューアルをスムーズに進行させるために
  4. CMSの選択: 最適な管理システムを見極める
  5. パートナー選定のポイント: 成功へ導く開発パートナーの選び方
  6. まとめ: WEBリニューアルプロジェクトを成功に導くために

1. WEBリニューアルのタイミング: いつ行うべき?

リニューアルタイミングを決めるチェック項目

「今がリニューアルの時?」そんな疑問に答えるには、まずは自社のWEBサイトが直面している現実を直視することから始めましょう。市場の動向、競合の動き、自社サイトのパフォーマンス。これらを総合的に分析することで、リニューアルのタイミングを見極めることができます。

市場の変化に合わせる 業界特有のトレンドや消費者の行動パターンは常に変化しています。例えば、モバイルファーストが叫ばれるようになって久しいですが、あなたのサイトはスマートフォンで快適に閲覧できますか? また、アクセシビリティの重要性が高まっていますが、すべてのユーザーが問題なく情報を得られるようになっているでしょうか?
競合との差別化 競合他社がサイトをリニューアルし、より魅力的なコンテンツや機能を提供始めたら、あなたのサイトも見劣りする可能性があります。自社サイトが提供するユーザーエクスペリエンスが、市場での競争力を維持できるレベルにあるか、定期的にチェックしましょう。
パフォーマンスの低下 サイトのローディング速度が遅い、サイト訪問者の離脱率が高い、検索エンジンのランキングが下がったなど、サイトのパフォーマンスに関する問題もリニューアルの大きなきっかけとなります。これらはすべて、直接的にビジネス成果に影響を及ぼす要因です。
ユーザーフィードバックの積極的な活用 サイトを訪れるユーザーからのフィードバックは、リニューアルの有力な手がかりとなります。特に、使い勝手に関する指摘や機能のリクエストは、ユーザー体験を向上させるための貴重なインプットです。
セキュリティの更新 WEBの世界では、新たなセキュリティ脅威が絶えず出現しています。古くなったプラットフォームやプラグインは、攻撃者にとって格好のターゲットになり得ます。セキュリティを最新の状態に保つことは、ユーザーの信頼を維持する上で不可欠です。

「リニューアルのタイミング」を見極めることは、単に古さを感じたからという曖昧な理由だけでは決められません。市場と技術の両方の変化に敏感であること、そして何よりもユーザーの声に耳を傾けることが重要です。上記のポイントを基に、自社のWEBサイトが新しいステージへと進むべきタイミングを見極めましょう。

2. リニューアルの手順と段取り: 効率的に進めるコツ

WEBサイトのリニューアルを決めたはいいものの、「具体的に何から手を付ければいいの?」と頭を抱える時間はもう終わりにしましょう。成功に導くリニューアルプロジェクトは、明確な手順と段取りがあります。では、効率的にリニューアルを進めるためのステップを見ていきましょう。

ステップ1: 目標設定

まずは、リニューアルを通じて達成したい具体的な目標を設定します。これは、サイトの見た目を新しくすること以上の、ビジネス目標を含むべきです。例えば、リード獲得数の増加、訪問者の滞在時間の延長、モバイルユーザビリティの改善などが考えられます。目標が明確であればあるほど、プロジェクトの方向性を正確に定められます。
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ステップ2: 現状分析と要件定義

現在のWEBサイトの評価を行い、どの部分が改善を要するのか、また、新サイトにどのような機能が必要なのかをリストアップします。この段階では、ユーザー調査や競合分析も含めた市場調査が役立ちます。また、内部ステークホルダーからのフィードバックを集め、要件定義を行います。
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ステップ3: RFPの作成とパートナー選定

リニューアルプロジェクトを外部の専門家に依頼する場合、効果的な提案依頼書(RFP)の作成が鍵となります。RFPには、プロジェクトの背景、目標、要件、予算、タイムラインなどを明記します。提出された提案を比較検討し、最適なパートナーを選定します。
次のステップへ

ステップ4: デザインとコンテンツの計画

新しいサイトのデザインコンセプトを決定し、ユーザーにとって魅力的かつ機能的なサイト構造を設計します。同時に、コンテンツ戦略を策定し、必要なコンテンツの制作や既存コンテンツの再利用・改善計画を立てます。
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ステップ5: 開発と実装

選定したパートナーと協力して、サイトの開発に取り掛かります。このフェーズでは、デザインの実装、コンテンツの統合、必要な機能の開発が行われます。開発プロセスには、アジャイルなアプローチを取り入れると、柔軟かつ効率的に進めることができます。
次のステップへ

ステップ6: テストと公開

全ての開発が完了したら、徹底的なテストを行い、サイトの品質を確保します。テストには、機能テスト、ユーザビリティテスト、セキュリティテストなどが含まれます。問題がなければ、いよいよ新しいWEBサイトを公開します。

現状分析と必要な要件を、自社内ではなく専門家に依頼したい場合には、ステップ3の「RFPの作成とパートナー選定」とステップ2の「現状分析と要件定義」は順序が逆になり、現状分析と必要要件がRFP内の要求事項となります。

効率的にリニューアルプロジェクトを進めるためには、計画的に、そして段階を追って作業を進めることが重要です。各ステップで明確な目標とチェックポイントを設け、プロジェクトチーム全員が同じ方向を向いて進むよう心がけましょう。

3. 必要なドキュメントとその形式: リニューアルをスムーズに進行させる

WEBサイトリニューアルプロジェクトを成功に導くためには、事前の準備が欠かせません。特に、プロジェクトを円滑に進めるためには、稟議書や提案依頼書(RFP)などのドキュメント作成が重要な役割を果たします。では、どのようなドキュメントが必要で、それらはどのような形式で準備すれば良いのでしょうか?

稟議書: プロジェクト開始のための承認を得る

稟議書は、社内でのプロジェクト承認を得るための重要なドキュメントです。リニューアルプロジェクトに必要な予算やリソース、目的や目標を明確に記載し、経営層や関連部門の承認を得るために使用します。

必要な項目とポイント:

目的 リニューアルを行う理由と、プロジェクトを通じて達成したい具体的なビジネス目標や成果指標を明記します。
背景 現在のWEBサイトの状況と、リニューアルが必要となった背景を説明します。現状のまま放置すると自社ビジネスにとって不利益であることを明確にします。
プロジェクト概要 リニューアルによって解決するビジネス課題とそれを実現する具体的な自社WEB上の成果物や機能、改善点を列挙します。リニューアルコンセプト(課題を解決したWEBサイトの状態、リニューアルの考え方)が必要であれば記載します。
予算とリソース プロジェクトに必要な総予算と、内訳、必要な人材やその他のリソースを詳細に記述します。リニューアルにかかる費用だけでなく、初年度の運用費用も含めることを忘れずに。コンペを行う場合はその概要も記載します。
スケジュール プロジェクトの大まかなタイムラインと、主要なマイルストーンを設定し、自社で確認できるタイミング(デザイン承認、テストアップなど)を明確にします。

提案依頼書(RFP): パートナー選定のためのドキュメント

提案依頼書(RFP)は、外部の開発会社やデザイン会社に対して、プロジェクトの提案を依頼する際に使用するドキュメントです。RFPを通じて、プロジェクトの要件や期待される成果、評価基準などを共有し、最適なパートナーを選定します。

必要な項目とポイント:

プロジェクト概要 プロジェクトの目的や背景、達成すべき目標を簡潔に紹介します。
要件 サイトの機能要件、デザイン要件、技術的な要件など、具体的な要件を詳細にリストアップします。
提案条件 提案を求める際の条件、提出期限、選定プロセスと基準を明記します。また必ず提案書に盛り込んでほしい内容がある場合も列挙しておきます。
予算枠 プロジェクトに割り当てられた予算の範囲を示します。予算に含まれる項目(制作費、サーバ費用、運用費、サポート費用など)を明確にします。
連絡先とQ&A 提案に関する質問を受け付ける連絡先や、質問の受付期間を設定します。

50ページに及ぶ大作の稟議書・RFPもあれば、たった1枚にまとめたドキュメントもあり、企業文化や承認フローによって書類のボリュームはさまざまですが、主な項目と内容はおおむね以上の通りです。

リニューアルプロジェクトをスムーズに、かつ効率的に進めるためには、これらのドキュメントが不可欠です。稟議書で内部の承認を得た後、RFPを用いて最適なパートナーを選定することが、プロジェクト成功のカギとなります。明確な目的と要件を持つことで、期待に沿った提案が得られるようになります。

サイトリニューアルの手順

4. CMSの選択: 最適な管理システムを見極める

WEBサイトリニューアルの成功には、適切なコンテンツ管理システム(CMS)の選定が欠かせません。CMSは、WEBサイトのコンテンツを効率的に管理し、更新作業を簡単に行うための基盤です。しかし、市場にはさまざまなCMSが存在し、それぞれ特徴や機能が異なります。では、どのようにしてビジネスに最適なCMSを選ぶべきでしょうか?

CMS選定の基準

1. 利用目的と必要機能 最初に、CMSを利用する目的を明確に定めましょう。WEBサイトで何を実現したいのか、どのようなコンテンツを扱うのかによって、必要な機能は大きく変わります。例えば、ブログ投稿が主ならシンプルなCMSで十分かもしれませんが、複数言語のサポートやEコマース機能が必要な場合、より高度なCMSが求められます。
2. 使いやすさ CMSのユーザーインターフェースが直感的でなければ、日常の更新作業が煩雑になり、コンテンツ管理の効率が悪くなります。実際にデモを試したり、利用者のレビューを参照したりして、操作のしやすさを確認しましょう。
3. サポート体制と普遍性 問題が発生した際に迅速に対応してもらえるか、つまりそのCMSのエンジニアの数の多さとドキュメンテーションの豊富さが重要です。制作会社のオリジナルCMSはその制作会社にしか扱えない場合が多く、運用管理の変更や更新が難しくなります。また活発なユーザーコミュニティが存在するCMSであるかも考慮すべき点です。
4. 拡張性と柔軟性 将来的にWEBサイトが成長し、新たな機能が必要になったとき、CMSがそれに対応できるかどうかも考慮する必要があります。プラグインやモジュールを追加して、容易に機能拡張が可能なCMSを選びましょう。
5. セキュリティ WEBサイトのセキュリティは非常に重要です。定期的なセキュリティ更新を提供し、脆弱性に対応する強固なCMSを選ぶことが必須です。

おすすめのCMS

WordPress

無料であることから世界で最も広く利用されているCMS。使いやすさと拡張性に優れています。小~中規模サイトに適している。

Movable Type

日本の上場企業や、官公庁、大学などでよく使われている実績ある国産CMS。静的なHTMLで書き出されるため使いやすい。

Drupal

高度なカスタマイズが可能で、大規模な企業サイトや複雑なプロジェクトに適しています。

AEM

大企業向け、大量のコンテンツ管理に向いているCMS。制作に使われるアドビ製品との連携が可能。

Sitecore

国際企業向けといえる実績あるCMS。マーケティング機能を組み合わせることができる。

CMSはWEBサイトの心臓部とも言える存在です。ビジネスのニーズに合ったCMSを選ぶことで、コンテンツ管理の効率が向上し、ユーザーにとって魅力的なサイトを維持できます。各CMSの特徴をよく理解し、最適な選択を行いましょう。

5. パートナー選定のポイント: 成功へ導く開発パートナーの選び方

WEBサイトリニューアルは、しばしば外部の専門知識を必要とする複雑なプロジェクトです。適切な開発パートナーを選ぶことは、プロジェクトの成功に直結します。では、信頼できるパートナーを見極めるために、どのようなポイントを考慮すべきでしょうか?

経験と専門知識

  • 過去のプロジェクト: パートナー候補がこれまで手掛けてきたプロジェクトを確認しましょう。特に、あなたの業界に関連する経験があるか、同規模のリニューアルプロジェクトを成功させた実績があるかをチェックします。
  • 専門知識: CMSのカスタマイズ、ユーザーインターフェイスデザイン、検索エンジン最適化(SEO)など、プロジェクトに必要な特定の技術や知識を持っているかを評価します。

コミュニケーションとプロジェクト管理

  • コミュニケーション: 明確で効果的なコミュニケーションは、プロジェクト成功の鍵です。期待を正確に伝え、随時プロジェクトの進捗を共有できる体制が整っているかを確認しましょう。
  • プロジェクト管理: プロジェクトのスケジュール管理、品質管理、リスク管理など、効率的なプロジェクト管理能力があるかを見極めます。使用するプロジェクト管理ツールや手法についても尋ねると良いでしょう。

費用と価値

  • コスト構造: 提案される費用は予算内に収まっているか、また費用対効果は適切かを検討します。安さだけでなく、提供される価値とサービスの質を総合的に評価することが重要です。
  • 柔軟性: 予期せぬ変更や要望に柔軟に対応できるかどうかも、パートナー選定の重要なポイントです。プロジェクトの途中で要件が変わる可能性に備え、1割程度の予備費を設けておくなど対応策を確認しておきましょう。

アフターサポート

  • 保守とサポート: サイト公開後の保守やトラブルシューティングに対するサポート体制が整っているかも確認しましょう。長期的なパートナーシップを視野に入れ、サポート内容と費用を把握しておくことが望ましいです。

信頼できる開発パートナーを選定することは、リニューアルプロジェクトの成否を分ける重要な決断です。パートナーの選定プロセスには時間をかけ、上記のポイントを踏まえた上で、ビジネスの目標達成に貢献できる最適な会社を見つけ出しましょう。

まとめ: WEBリニューアルプロジェクトを成功に導くために

WEBサイトリニューアルは、ただ単に外見を新しくする以上の深い意味があります。正しく行えば、あなたのビジネスを新たな高みに引き上げ、ユーザーエクスペリエンスを格段に向上させることができます。この記事を通して、リニューアルのプロセスを構成する重要な要素を見てきましたが、最後に重要なポイントをおさらいしましょう。

  1. タイミングの見極め: リニューアルは、市場の動向、競合の状況、自社サイトのパフォーマンスを踏まえて、適切なタイミングで行う必要があります。
  2. 手順と段取り: 明確な目標設定から始め、要件定義、RFP作成、パートナー選定、デザインとコンテンツの計画、開発と実装、そしてテストと公開まで、一貫したプロセスを確立しましょう。
  3. CMSの選択: サイトの管理と更新を効率化するCMSは慎重に選び、ビジネスのニーズに最も合致するものを選定します。
  4. パートナー選定: 成功を収めるには、経験豊富で信頼できるパートナーとの協力が不可欠です。選定時には、その経験、専門知識、コミュニケーション能力、コストパフォーマンスをじっくり評価しましょう。

最終的に、WEBサイトリニューアルは単なる技術的なプロジェクトではなく、ビジネス戦略の一環として捉えることが重要です。リニューアルを成功に導くためには、上記のステップに沿って計画的に進め、各段階での細かな注意点を押さえることが必要です。そして、何よりもユーザーの視点を忘れずに、彼らにとって価値のある体験を提供することを心がけましょう。

リニューアルプロジェクトは、時には困難と挑戦に満ちているかもしれませんが、適切な準備とパートナーシップで、確実にビジネスの成長につながる結果を生み出すことができます。このガイドが、あなたのWEBサイトリニューアルプロジェクトの成功への一歩となれば幸いです。

WEBリニューアルの全体像を知りたい方へ、ご相談はお気軽に!

WEBリニューアルは全体の流れを理解してこそスムーズに進められます。しかし、どこから手を付けるべきか悩むことも。クルーソーでは、初めてのリニューアルを計画する方のために、全体の流れをしっかり把握できるサポートを行っています。プロジェクトの進め方が不安な方は、ぜひお気軽にご相談ください。正しいステップで成功に導きます。

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