中小企業はここを押さえろ!WEBリニューアル後の自力でできるSEO対策
SEO(検索エンジン最適化)と聞くと、難しそうで複雑な印象を持つ方も多いかもしれません。しかし、WEBリニューアル後のSEO対策は、企業のオンラインプレゼンスを強化し、ビジネスの成功に直結する重要なステップです。特に中小企業にとって、限られたリソースを最大限に活用するためには、基本的なSEO対策をしっかりと行うことが欠かせません。
この記事では、新米WEB担当者でも理解しやすいように、リニューアル後のSEO対策の基本と具体的な手順を解説します。基本の設定から始まり、コンテンツの質を高める方法、バックリンクの獲得、ユーザーエンゲージメントの向上まで、実践的なアドバイスと具体例を交えながら、効果的なSEO対策の方法をお伝えします。
目次
基本の設定
1. メタタイトルとディスクリプション
メタタイトルとディスクリプションは、すべてのWEBページのHTMLソースの冒頭に(上図参照、本田技研さんのタイトルとディスクリプション)書かれているとても大切な要素です。WEBサイトの画面上で「右クリック」→「ページのソースを見る」でHTMLソースを簡単に見ることができます。検索エンジンの結果ページに表示される要素であり、クリック率に大きく影響します。これらを適切に設定することで、検索ユーザーの興味を引き、サイトへの訪問者を増やすことができます。
具体例: 精密機器メーカーのメタタイトルとディスクリプションの例
- メタタイトル: 「高精度測定機器 – ABC精密機器株式会社」
- ディスクリプション: 「ABC精密機器株式会社は、高精度測定機器の専門メーカーです。最新技術を駆使した製品で、信頼性と精度を提供します。」
メタタイトルの作成のポイント
- キーワードを含める(例:「高精度測定機器」)。
- 60文字以内で簡潔にまとめる。
- 企業名を含める。
ディスクリプションの作成のポイント
- キーワードを含める。
- 150文字以内で魅力的な説明を書く。
- 行動を促すフレーズを入れる(例:「今すぐお問い合わせください」)
2. クリーンなURL構造
クリーンなURLは、ユーザーと検索エンジンの両方にとってわかりやすく、SEO効果を高めます。簡潔で説明的なURLは、ページの内容を明確に伝え、クリック率を向上させます。
具体例:
- 悪い例: www.abcprecision.com/?p=123
- 良い例: www.abcprecision.com/products/high-precision-measuring-tools
URLの最適化のポイント
- キーワードを含める(例:「high-precision-measuring-tools」)。
- 短くてわかりやすい構造にする。
- ハイフンで単語を区切る。
3. サイトマップの作成
サイトマップは、検索エンジンがあなたのWEBサイトをクロール(調査)しやすくするための重要なツールです。1枚のファイルに全ページを一覧化し、サイトの構造を明確に示すことで、インデックス(検索エンジンに登録)されやすくなります。下の画像は本田技研工業のサイトマップです。
サイトマップのポイント
- サイトマップ生成ツールを使用
Googleで「サイトマップ 作成」などの検索でいくつか無料のサイトツールが出てきます。サイトマップを作成したら、WEBサイトのルートディレクトリ(トップページが置いてあるのと同じ一番上の階層)にアップロードします。 - 定期的に更新
サイトに新しいページを追加したり、既存のページを更新するたびにサイトマップを更新する。 - Google Search Consoleに登録
Google Search Consoleにログインし、サイトマップを登録するとGoogleのクロールを呼び込むことができ、Googleへの登録が早まります。
4. モバイルフレンドリーの測定
モバイルフレンドリーなサイトは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスで適切に表示され、操作しやすい設計が求められます。Googleはモバイルフレンドリーなサイトを優先してランキングを上げるため、この要素は非常に重要です。
- 良い例: レスポンシブデザインを採用し、すべてのデバイスで適切に表示されるサイト。
- 悪い例: モバイルデバイスで表示するとテキストが小さすぎて読めない、またはナビゲーションが使いづらいサイト。
モバイルフレンドリーのポイント
- モバイルフレンドリーテストツールの使用:
Google Lighthouseで、自サイトをチェック(下写真参照)。Google Lighthouseは、Chromeのディベロッパーツールの一番上のメニューにあり、様々な項目でページのパフォーマンスをチェックできます(解説ページ)。モバイルとデスクトップそれぞれのパフォーマンスを計測できるので、モバイルを選択してテストしてみてください。 - レスポンシブデザインの実装:
CSSメディアクエリを使用して、画面サイズに応じてレイアウトを調整。 - ユーザビリティのテスト:
実際にスマートフォンやタブレットでサイトをテストし、ユーザー体験を確認。
SEO対策の実行計画
1. キーワード戦略の立案
キーワード戦略は、ターゲットオーディエンスが検索する用語に対応するために重要です。適切なキーワード選定によって、サイトの可視性を高め、トラフィックを増加させることができます。特に中小企業にとっては、限られたリソース内で最大の効果を上げるために慎重にキーワードを選ぶことが重要です。
- キーワード調査:競合他社の分析と、ターゲットユーザーが使う可能性のある検索語を特定します。
- キーワード選定:ビジネスに関連するキーワードのリストを作成し、検索ボリュームや競争度を考慮して優先順位を付けます。
- キーワードの使用:選定したキーワードを、メタタイトル、メタディスクリプション、ヘッディング、本文などに適切に配置します。
具体例: 精密機器メーカーが「高精度測定機器」をキーワードとして選定する場合
- メタタイトル:「高精度測定機器 – 最高の測定精度を提供するXYZ精密機器」
- メタディスクリプション:「XYZ精密機器の高精度測定機器は、工業用、研究用のすべてのニーズに応えます。詳細はこちら。」
- リードコピー:「高精度測定機器の導入で作業効率アップ」
- 本文:「XYZ精密機器の高精度測定機器は、最新技術を駆使して開発され、卓越した測定精度を提供します。」
計画の方法:
- キーワード調査ツールを使用:GoogleキーワードプランナーやAhrefsなどのツールを利用し、関連するキーワードの検索ボリュームと競争度を調査します。
- キーワードのリストを作成:ビジネスに関連するキーワードのリストを作成し、それぞれの優先順位を設定します。
- キーワードをコンテンツに統合:メタタグ、ヘッディング、本文に選定したキーワードを適切に配置し、自然な文章を心がけます。
- 定期的な見直しと更新:キーワード戦略は定期的に見直し、最新のトレンドや検索行動に基づいて更新します。
2. コンテンツの質を高める
高品質なコンテンツは、ユーザーのエンゲージメントを高め、SEO効果を最大化するために欠かせません。質の高いコンテンツとは、ユーザーにとって有益であり、信頼性があり、検索意図に合致する情報を提供するものです。特に、E-A-T(専門性、権威性、信頼性)を考慮したコンテンツ作成が重要です。
具体例: ブログ
計画の方法:
- リサーチ:ターゲットオーディエンスが求める情報をリサーチし、キーワードリサーチツールを活用して関連トピックを見つける。
- コンテンツ計画:各ページの目的と内容を決め、記事の構成を設計する。
- 執筆とレビュー:専門家や社内の知識を活用し、質の高い記事を執筆。公開前にレビューし、品質を確保する。
3. リンクビルディングの戦略
リンクビルディングは、他の信頼性の高いサイトからリンクを獲得することで、サイトの権威性を高める手法です。質の高いバックリンクは、検索エンジンの評価を向上させ、ランキングを向上させます。
具体例: 共同施策リンク
計画の方法:
- リンクのターゲットリスト作成:業界関連の信頼できるサイトやブログのリストを作成。
- コンテンツ提供:ゲスト投稿やインタビュー記事を提供し、リンクを獲得。
- 関係構築:業界のイベントや会議に参加し、ネットワーキングを通じてリンクの機会を広げる。
4. 内部リンクの最適化
内部リンクの最適化は、サイト内のページ同士をリンクで結びつけ、ユーザーのナビゲーションを改善し、検索エンジンがサイトの構造を理解しやすくする手法です。
具体例: 関連コンテンツなどへのリンク
計画の方法:
- 関連ページの識別:記事のテーマに関連する他のページをリストアップ。
- アンカーテキストの最適化:適切なキーワードを含むアンカーテキストを使用してリンクを設定。
- リンクの配置:ユーザーのナビゲーションを考慮し、自然な位置にリンクを配置。
5. ローカルSEOの最適化
ローカルSEOは、地域に特化した検索結果での可視性を高めるための戦略です。特に、地元の顧客をターゲットにする中小企業にとっては重要です。
具体例:Googleマイビジネス
計画の方法:
- Googleマイビジネスの最適化:正確なビジネス情報、営業時間、レビューを追加。
- ローカルキーワードの活用:地域名を含むキーワードをコンテンツに組み込む。
- 地元のレビューの獲得:顧客にレビューを書いてもらい、信頼性を高める。
6. ページ速度とモバイル対応の改善
ページ速度とモバイル対応は、ユーザーエクスペリエンスに直接影響し、検索エンジンのランキング要因でもあります。高速でモバイルフレンドリーなサイトは、ユーザーの満足度を高め、直帰率を減少させます。特にモバイルユーザーが増加している現在、モバイル対応は不可欠です。
計画の方法:
- ページ速度のテスト:GoogleのPageSpeed Insightsを使用して現状を評価し、改善点を特定する。(PageSpeed Insightsの評価項目はLighthouseと同じです。)
- 画像の最適化:高解像度画像を圧縮し、WebP形式を使用する。
- キャッシュの活用:ブラウザキャッシュとサーバーキャッシュを設定してページロード時間を短縮。
- モバイルフレンドリーテスト:GoogleのLighthouse等のツールを使用して、サイトのモバイル対応を確認し、必要な改善を行う。
継続的なSEOモニタリングと改善
SEOは一度設定したら終わりではなく、継続的なモニタリングと改善が必要です。定期的にパフォーマンスをチェックし、必要な調整を行うことで、SEO効果を維持し、向上させることができます。
具体例:Googleツール活用
計画の方法:
- 定期的なパフォーマンスレビュー:毎月、Google AnalyticsとGoogle Search Consoleのデータを分析し、トラフィックやユーザー行動を確認。
- 検索順位のチェック:主要キーワードの検索順位を定期的にチェックし、順位が下がった場合は原因を分析して改善策を講じる。
- コンテンツの更新:定期的にコンテンツを見直し、古くなった情報を更新し、新しい情報を追加。
- バックリンクの管理:新しいバックリンクの獲得と既存リンクの評価を行い、リンクの質を維持。
まとめ
SEO対策は、WEBリニューアル後も継続的に取り組むべき重要な要素です。基本的な設定から始め、質の高いコンテンツ作成、効果的なリンクビルディング、内部リンクの最適化、ローカルSEOの強化、ページ速度とモバイル対応の改善、そして継続的なモニタリングと改善を行うことで、検索エンジンでの評価を高めることができます。特に中小企業にとって、限られたリソースを最大限に活用し、効果的なSEO対策を実行することが成功への鍵となります。このガイドを参考に、具体的なアクションプランを立て、実行していきましょう。
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自力でSEO対策を実施するには、ある程度のWEB制作の知識が必要です。自信がない場合は正しい制作技術を持ったプロに相談することも検討しましょう。クルーソーではSEO対策に効く正しいコーディング技術を提供しています。ぜひご相談ください。
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